北海道・札幌のスポット
北海道3泊4日の旅ベストコースを紹介 〜車なし!電車とバスで行く!《函館・札幌・小樽》の名所&穴場をギュッと凝縮!
「北海道の魅力を3泊4日で味わいたい!」 「広大な北海道を車なしでも効率よく観光できるだろうか?」 「限られた日程で函館・札幌・小樽を巡るベストルートは?」
北海道旅行を計画するとき、こうした疑問が浮かぶのは自然なことです。日本最大の面積を誇る北海道は、雄大な自然、歴史ある街並み、そして絶品グルメなど、魅力的な観光資源が道内各地に点在しています。
その広さゆえに、「レンタカーなしでは移動が大変なのではないか」「3泊4日という限られた日程で、どこまで楽しめるのだろう」と不安に感じる方も多いでしょう。
特に初めての北海道旅行では、効率的なルート選びや時間配分に頭を悩ませるものです。あまりに欲張ったプランを立てると移動に時間を取られすぎてしまいますし、かといってひとつの場所に長く滞在しすぎると、北海道の多彩な魅力を体験しきれないというジレンマがあります。
そこでこの記事では、公共交通機関でもスムーズに巡ることができる、北海道旅行の定番モデルコース「函館〜札幌〜小樽」をご紹介します。この王道ルートは交通アクセスが整備されており、車がなくても列車やバスを利用して快適に移動することが可能です。
また、各都市には観光スポットが集中しているため、徒歩や市内交通機関で効率よく回ることができます。
さらに、このルートの魅力は季節を問わず楽しめる点にあります。
春の桜、夏の青い海、秋の紅葉、そして冬の雪景色と、四季折々の表情を見せる風景や、一年中味わえる海鮮グルメなど、いつ訪れても北海道ならではの体験ができるスポットを厳選してご紹介します。
経験豊富な旅行者から北海道初心者まで、この記事を参考にすることで、限られた日程でも北海道の魅力を存分に味わい尽くす、思い出深い旅行プランを立てることができるでしょう。さあ、憧れの北海道へ、効率的かつ贅沢な旅の計画を始めましょう。
目次
国の特別史跡・五稜郭跡を一望できる函館のシンボル「五稜郭タワー」は、訪れる者を魅了する絶景スポットです。高さ107メートル(避雷針含む)のタワーからは、特に90メートルの展望2階から眺める星形の五稜郭が圧巻。
四季折々の美しい風景が広がり、春には桜のピンク色に染まる城郭、夏は鮮やかな緑、秋は紅葉の赤や黄色、冬は真っ白な雪景色と、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。さらに、函館山や市街地、津軽海峡、函館湾まで見渡せる360度のパノラマビューは、多くの観光客を魅了してやみません。
展望フロアに併設された「五稜郭歴史回廊」では、ペリー来航に始まる五稜郭の歴史を詳しく学ぶことができます。16体のジオラマ模型が箱館戦争や明治時代の情景を生き生きと再現し、訪れる人々を歴史の世界へと誘います。
特に竣工当時の五稜郭を1/250スケールで正確に復元した模型は、現在の姿と比較することで、時
代の流れを実感できる貴重な展示です。歴史好きな方には、スタッフによる「五稜郭歴史ガイドツアー」がおすすめ。五稜郭の歴史や見どころをより深く理解することができます。
1階のアトリウムは、天井と壁面の大半がガラス張りという開放的な空間。地元市民や観光客の憩いの場として親しまれており、ステージでは演奏会やショーなど様々なイベントが開催されます。土日祝日には、タワーのイメージキャラクター「GO太くん」が登場し、子どもたちとの記念撮影で大人気です。
現在の五稜郭タワーは、1964(昭和39)年に建設された初代タワーを、創業40周年を機に2006(平成18)年に建て替えた2代目。展望位置は旧タワーの2倍の高さとなり、より壮大な眺めを楽しめるようになりました。
館内のショップでは、箱館戦争や土方歳三関連のグッズなど、五稜郭ならではのおみやげも充実。北海道旅行の思い出に、歴史ファンならずとも必見のスポットです。函館を訪れたら、ぜひ五稜郭タワーから北海道の雄大な景色と日本の歴史を体感してみてください。
所在地 | 函館市五稜郭町43-9 |
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アクセス | 市電「函館駅前」~「五稜郭公園前」下車から徒歩10分 |
特別史跡五稜郭跡のほど近くに佇む「函館麺厨房あじさい 本店」は、90年以上の歴史を誇る函館を代表する老舗ラーメン店です。函館市の大門地区で中華料理店として創業し、後に五稜郭へ移転。長い年月をかけて地元住民はもちろん、観光客からも絶大な支持を集める名店へと成長しました。
看板メニューの「塩拉麺(750円)」は、あっさりとしながらも深いコクがある味わいで、多くのファンから愛され続けています。
創業当時からの製法を守りつつ、時代に合わせて改良を重ねてきたというこのラーメンは、透明度の高いスープが特徴。昆布をメインとし、豚骨や鶏ガラ、煮干しで丁寧に取ったベースに、少量の生姜をきかせることで、まろやかさと深みのある味わいを実現しています。
特注の中細ストレート麺は、函館市内の「岡田製麺」製。このスープとの相性は抜群で、絶妙なバランスを生み出しています。トッピングには、それぞれの良さを味わってほしいという店主の想いから、ロース肉とバラ肉の2種類のチャーシューが使われ、ネギ、水菜、三つ葉、ニラという4種の薬味が彩りと風味を添えています。シンプルながらも奥深い「味彩塩拉麺」は、函館ラーメンの真髄を感じられる一杯です。
あじさいの魅力は塩ラーメンだけにとどまりません。人気メニューの「パーコー麺(970円)」は、看板メニューの塩ラーメンをベースに、甘辛ダレを絡めた揚げたてのロースカツをトッピングした一品。また、山椒塩とレモンで楽しむ大きな「ザンギ(3つ480円)」も、訪れる人の舌を唸らせる逸品です。
シンプルでやや薄味に仕上げられた「チャーハン(770円、ハーフ520円)」は、ふわっとしたマイルドな口当たりで飽きのこない味わい。地元常連にも愛される一品です。
あじさいでは、多くの麺類やご飯物をハーフサイズで注文できるのも魅力のひとつ。女性や子ども連れの方でも、様々なメニューを少しずつ楽しめる配慮が嬉しいポイントです。伝統の味を守りながらも、時代のニーズに合わせたサービスを提供する姿勢は、90年以上愛され続ける秘訣かもしれません。
函館観光の定番スポット・五稜郭を訪れた後に、ぜひ立ち寄りたいのがこの「函館麺厨房あじさい 本店」。長い歴史が育んだ確かな味わいと、地元に根付いた風味は、函館の食文化の真髄を体験できる貴重な機会となるでしょう。函館を訪れたら、この老舗の味を堪能してみてはいかがでしょうか。
所在地 | 函館市五稜郭町29-22 |
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アクセス | 五稜郭公園前駅から徒歩15分 |
「はこだて明治館」は、1911(明治44)年に建てられた函館郵便局の歴史的建造物を利用した複合商業施設です。函館の観光スポットとして人気の高いベイエリアに位置し、開港通りに面した絶好のロケーションにあります。市電「十字街」電停から徒歩5分という好アクセスで、JR函館駅行きや函館空港行きのバス停が正面入口に、函館山・元町エリア方面へのバス停も道路を挟んだ向かいにあるため、観光の拠点としても最適です。
はこだて明治館の最大の魅力は、函館や北海道を代表する多彩なお土産が一堂に会していること。特に注目したいのがガラス製品の品揃えです。手のひらサイズのかわいらしい置物から、アクセサリー、食器、高級感あふれるヴェネチアンガラスまで、幅広い種類のガラス製品が揃っています。
ガラス製品以外にも、メロディーが心を和ませるオルゴールショップ、愛らしいテディベアショップ、函館ならではのスイーツを扱う店舗、おしゃれな雑貨店など、様々なジャンルのショップが軒を連ねています。また、隣接する「はこだて海鮮市場」では、スイーツ、水産加工品、鮮魚、雑貨、ハムやソーセージなどの食品も充実しており、地方発送サービスも行っているので、手荷物を増やさずにお土産を購入できるのも嬉しいポイントです。
はこだて明治館では、函館での旅の思い出づくりにぴったりの体験メニュー(有料)も充実しています。「手作りオルゴール工房」では、好きな曲のオルゴールボックスを自分でデザインし、世界に一つだけのオリジナル作品を作ることができます。「サンドブラスト体験工房」では、砂を吹き付けてガラスに模様を彫り込む技法で、オリジナルのガラス作品づくりに挑戦できます。
これらの体験メニューは、修学旅行生や家族連れ、カップルなど幅広い年代に人気があり、函館の思い出をより特別なものにしてくれるでしょう。
「函館 和・洋モダン貸衣裳館 はこだて明治館店」では、本格的な和装やドレスなどを有料で貸し出しています。簡単な着付けとヘアアレンジもしてもらえるので、歴史的建造物の館内や外周り、周辺のベイエリアで非日常的な記念撮影を楽しむことができます。
明治時代の建築美と函館の海を背景にした写真は、SNS映えするだけでなく、一生の思い出となる素敵な記念になるでしょう。カップルの記念日やご家族との旅行の記念に、特別な衣装での撮影体験をしてみてはいかがでしょうか。
館内にはロッカーも完備されており、バスの時間までの間、荷物を預けてゆっくりとショッピングや体験を楽しむことができます。函館の主要観光スポットを巡る際の休憩場所としても最適で、海鮮市場に隣接しているため、食事と買い物を一度に済ませることも可能です。
歴史的な建物の風格を感じながら、函館のお土産探しや思い出に残る体験を楽しめる「はこだて明治館」。函館観光の際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
所在地 | 函館市豊川町11-17 |
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アクセス | 函館駅前から徒歩15分 |
港町函館のベイエリアに威風堂々と佇む金森赤レンガ倉庫は、函館を代表する観光スポットとして多くの人々を魅了しています。1909年(明治42年)に建築されたこの歴史的建造物は、1988年から複合商業施設として生まれ変わり、現在ではショッピングモール、ビアホール、イベントホールなど様々な施設が入居する人気エリアとなっています。
横浜や神戸、長崎など日本各地の港町に点在する赤レンガ倉庫は、どこかノスタルジックでロマンチックな風情を醸し出す街のシンボルとして親しまれています。
日本初の国際貿易港として栄えた函館にある金森赤レンガ倉庫も例外ではなく、四季を通じて多くの観光客で賑わう、函館観光の中心地となっています。
金森赤レンガ倉庫の歴史は、長崎から函館に移り住み、輸入雑貨や船具などの販売を手掛けた初代渡邉熊四郎が深く関わっています。1887年(明治20年)、渡邉は既存の建物を買い取り営業倉庫業を開始しました。函館港の海運業が活況を呈するにつれて荷物の取扱量が年々増加し、次々と倉庫を増築して営業規模を拡大していきました。
しかし、1907年(明治40年)に発生した大火により倉庫6棟が焼失。この災害を契機に、不燃質の倉庫として建設されたのが現在私たちが目にする赤レンガ造りの建物です。1909年(明治42年)に完成したこの倉庫は、当時の建築技術の粋を集めた堅牢な構造を誇り、函館の海運業の発展に大きく貢献しました。
時代の流れとともに流通の多様化や北洋漁業の衰退などが進み、1988年(昭和63年)、金森赤レンガ倉庫は飲食店や土産物店が入居する複合施設へと生まれ変わりました。現在では観光スポットとして親しまれていますが、数棟は今でも現役の営業倉庫として使用されており、港町としての機能も維持しています。
金森赤レンガ倉庫として営業している7棟の施設は、「函館ヒストリープラザ」「金森ホール」「金森洋物館」「BAYはこだて」に分かれており、函館ならではの海産物を使った飲食店や地元の特産品を扱う土産物店、地元の工芸品ショップなど、様々な店舗が軒を連ねています。レンガ造りの独特の雰囲気の中でのショッピングや食事は、函館ならではの特別な体験となるでしょう。
金森赤レンガ倉庫の魅力は建物だけにとどまりません。冬になると倉庫の目の前では、函館の冬の風物詩「はこだてクリスマスファンタジー」が開催されます。美しくライトアップされた赤レンガ倉庫と大きなクリスマスツリー、イルミネーションに彩られた光の世界は、まさにファンタジーの名にふさわしい幻想的な光景を創り出します。
この季節に訪れると、港町の冷たい海風と温かな光の対比が、訪れる人々の心に特別な思い出を刻みます。夏の爽やかな海風、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の表情を見せる金森赤レンガ倉庫は、一年を通して違った魅力を楽しむことができる観光スポットです。
金森赤レンガ倉庫は、函館山や五稜郭などの有名観光地へのアクセスも良く、函館観光の拠点としても最適な場所です。市電やバスなどの公共交通機関も充実しており、観光客にとって非常に便利なロケーションとなっています。
また、周辺には「はこだて明治館」などの歴史的建造物や「はこだて海鮮市場」など観光スポットも点在しているため、ベイエリア一帯を散策しながら函館の魅力を存分に味わうことができます。
函館の歴史と現代が見事に調和した金森赤レンガ倉庫。港町ならではのロマンチックな雰囲気と、明治時代から続く堅牢な建築美を体感できる場所として、函館を訪れる際にはぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。
所在地 | 函館市末広町14-12 |
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アクセス | 函館駅から徒歩15分 |
函館市と近郊を一望できる函館山展望台は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン改定第2版で三つ星として紹介された「函館山からの眺望」を堪能できる絶景スポットです。
標高334メートルの函館山頂に位置するこの展望台からは、両側を海に囲まれた函館の独特な地形が生み出す壮大なパノラマビューが広がります。日中の明るい景色も素晴らしいですが、特に夜間には街のきらめく灯りと漆黒の海が作り出す「世界三大夜景」の一つとして名高い絶景を楽しむことができます。
函館山展望台は4層構造になっており、1階にはロープウェイの山頂駅と待合ロビー、2階にはレストランやイベントホール、3階にはティーラウンジなどが設けられています。そして最上階の屋上展望台からは、360度の大パノラマが広がっています。2015年(平成27年)秋には北海道新幹線開業を控えてリニューアルされ、より快適に眺望を楽しめる空間へと生まれ変わりました。
函館山は、約100万年前の海底火山の噴出物が土台となり、その後幾度もの噴火によって隆起と沈下を繰り返しながら形成されました。当初は大きな島として出現した後、海流や風雨の浸食により孤島となり、流出した土砂が堆積して砂州を形成。約5,000年前に北海道と陸続きになった「陸繋島」です。
かつては尖った形状だった山頂も、明治時代の要塞工事によって削られ、現在の姿になりました。終戦後、約50年間立ち入り禁止だった要塞地帯が一般開放されるようになり、1953年(昭和28年)に山頂に展望台が開設。1958年(昭和33年)にはロープウェイが開業し、現在は多くの観光客が訪れる函館随一の観光スポットとなっています。
函館山頂へのアクセス方法はいくつかありますが、最も一般的なのは山麓駅から約3分で山頂に到着するロープウェイです。そのほか、JR函館駅前を始発とする登山バスも運行されています。マイカーやレンタカーでの訪問は、車両用登山道が開通している4月中旬から11月上旬に限られ、特に夜景タイムには通行規制があるため注意が必要です。
冬期の2024年11月11日から2025年4月14日までは、ロープウェイは利用可能ですが、バス・タクシー、マイカー・レンタカーでのアクセスは登山道路通行止めのため不可となります。訪問計画を立てる際は、最新の交通情報をチェックすることをおすすめします。
函館山は標高が高く、山頂は市街地よりも気温が低いのが特徴です。特に強風が吹くことも多く、夏でも上着があると安心です。冬季はもちろん、春や秋でも防寒対策は万全にして訪れることをおすすめします。
函館山から見る夜景の最大の魅力は、きゅっとくびれた函館の地形が生み出す、暗い海と街の明かりのコントラストです。両側を海に囲まれた細長い地形は、まるで宝石をちりばめたネックレスのように美しく、手を伸ばせば届きそうな距離に広がるロマンチックな夜景は、訪れる多くの人々を感動させています。
函館の夜景は、香港のビクトリアピーク、イタリアのナポリと並ぶ「世界三大夜景」のひとつとして世界的に有名で、国内では長崎の稲佐山、神戸の摩耶山と共に「日本三大夜景」に数えられています。特に冬の澄み切った空気の中で見る夜景は、一層鮮明で美しいと言われています。
山頂の展望台から夜景を眺めるのが王道ですが、函館山ふもとの飲食店や函館駅周辺のホテル最上階のバーなど、「夜景の見える店」で食事やお酒を楽しみながら眺めるのも素敵な体験です。こうした場所では、寒さや天気を気にすることなく、ゆったりと夜景を堪能できます。
特に夕暮れ時から日没、そして青空が夜空に変わり、次第に街の明かりが増えていく約1時間のショーは見逃せません。強風でロープウェイが運休したり、低い霧や雲で山頂からは夜景が見えないときでも、こうした店からなら問題なく夜景を楽しめる場合が多いのも魅力です。
夜景の見える店は大変人気があるため、確実に利用したい方は事前予約をおすすめします。窓の外に広がる絶景を眺めながら、大切な人と特別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
所在地 | 函館山ロープウェイまでのアクセス方法 函館市元町19-7 |
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アクセス | 函館駅から市電で「十字街」電停下車から徒歩10分 |
北海道の三大温泉郷のひとつに数えられる函館湯の川温泉は、古くから名湯として多くの人々に親しまれてきました。豊富な湯量と効能で知られるこの温泉地は、函館の奥座敷として長い歴史を持ち、現在も函館観光の重要な拠点となっています。
湯の川温泉の歴史は1653年(承応2年)にまで遡ります。松前藩主九代・高広(幼名 千勝丸)が難病に苦しんでいた際、母の清涼院が「松前城の東にある温泉に行けば、どんな病も治る」という夢を見ました。この夢に従い千勝丸を湯治させたところ、まもなく全快。藩はお礼として薬師堂を再建し、鰐口を奉納しました。これが湯の川温泉の発祥とされています。
さらに古い伝承によると、1453年(享徳2年)に、ある木こりが湧き湯を発見し、後に負傷した際にこの湯で腕の痛みを癒しました。この恩返しとして薬師如来を作り、小さな祠を建ててお祀りしたという言い伝えが、現在の湯倉神社の起源とされています。
湯の川という名称は、アイヌ語の「ユ(湯)+ペツ(川)」に由来していると言われています。当初は湯量も少なく温度も低かったため、広く知られていませんでした。
温泉地としての本格的な発展は明治時代に始まります。明治18年に石川藤助が100度以上、毎分140リットルの温泉を掘り当て、翌明治19年に湯治場を開業したことで入浴客が増加。料理店や宿、商店などが建ち並び、湯の川は賑わいを見せるようになりました。明治20年には現在の電車通も開通し、歓楽地として栄えました。箱館戦争と榎本武揚
箱館戦争の時代には、旧幕軍の榎本武揚が傷病兵を療養させ、自身も入湯していたとされています。湯の川の隣町「榎本町」は彼の名にちなんで名付けられました。
明治31年に馬車鉄道が開通し、大正2年には電車に替わり、大正7年には日本初の有料道路が海岸線に開通したことで、さらに賑わいを増しました。
現在の函館市民会館付近には「湯の川遊園地」が造られ、動物園や人工滝、竜宮城などが設けられ、遊び場としても人気を集めました。
「湯の川八景」と呼ばれる景勝地として親しまれ、特に根崎海岸の360°パノラマ展望は「借景」として名を馳せました。北洋漁業の隆盛と共に歓楽街として賑わい、昭和20年頃まで「函館の奥座敷」と呼ばれていました。
現在、函館には年間約540万人が訪れ、宿泊客440万人のうち約130万人が湯の川温泉に宿泊しています。湯の川温泉は、温泉を楽しむだけでなく、函館観光の拠点としても重要な役割を担っています。
温泉周辺には、北海道で唯一の国指定名勝である香雪園(見晴公園)、日本で最初の女子修道院であるトラピスチヌ修道院、借景のある根崎海水浴場、温泉に入るサルがいる熱帯植物園、松倉川など、散策や行楽に適した観光スポットが点在しています。
湯の川温泉の湧出量は日量7,000トン(毎分4,861リットル)以上という豊富な湯量を誇っています。源泉は函館市所有・管理の9本と民間所有の13本を合わせて計22本あります。湯の川地区では井戸水を掘ろうとしても、100mほどの掘削で温泉が出てしまうほどです。
源泉温度は井戸によって差異はありますが、平均して65度前後ある高温の温泉です。浴槽清掃後に新しくお湯を入れる際は、適温にするための水を加えることもあります。
湯の川温泉には規模の大きなビルタイプのホテルも多く、大浴場や個室の露天風呂が上階にあるホテルでは、ポンプで温泉を送り出す循環方式を採用しています。しかし、豊富な湯量を活かし、新しい温泉を常に補充して古いものを排出する「放流・循環併用式」を多くの施設が採用しています。
函館観光の拠点として、また疲れを癒す名湯として、湯の川温泉は訪れる人々に特別な時間と思い出を提供しています。歴史ある温泉街の風情と共に、ぜひ湯の川温泉で心身ともにリラックスする贅沢なひとときをお過ごしください。
函館市湯川町1丁目 | |
アクセス | 函館市電「湯の川温泉駅」下車 |
2日目のおすすめコースは札幌観光です。おすすめの観光スポットを紹介します。
約250軒の店舗が軒を連ねる函館朝市は、北海道函館の味覚と文化を堪能できる巨大な市場です。
函館駅から徒歩1分という絶好のロケーションにあり、早朝から活気に満ちた雰囲気の中で、海産物をはじめ野菜、果物、お菓子、珍味など、函館のありとあらゆる食材が集結しています。
函館旅行では外せない観光スポットとして、国内外の多くの観光客が訪れる人気の場所となっています。
函館朝市のルーツは終戦直後にまで遡ります。当初は近隣町村の農家が野菜や果物を持ち込んで函館駅前で立ち売りを行っていたのが始まりでした。
昭和22年には函館市役所付近に場所を移し、その後、規模の拡大に伴って昭和31年に現在の場所へと移転。以来、函館の食の一大流通拠点として発展を続けてきました。
朝市内には「朝市大通り」「朝市仲通り」「巴通り」といった路面店が並ぶ通りや、「どんぶり横丁市場」「駅二市場」「函館朝市ひろば」などの施設が点在しています。
特に2014年4月にオープンした「函館朝市ひろば」は、青果店・花屋などの「物産街」、農業生産者による「産直市」、海鮮丼・ラーメン・弁当などの「フードコート」からなる複合施設で、新たな魅力を加えています。
函館朝市の店舗は個性豊かなお店ばかりです。函館近海でしか獲れない「がごめ昆布」を一枚ずつ手作業で削っておぼろ昆布にする様子が見られる「梶原昆布店」、注文を受けてからその場で函館近海産の真イカを焼き上げて作る「手焼きさきいか」が人気の「カシメ水産」、希少品となりつつある鯨ベーコンなどを販売する「函館くじら屋」など、ここでしか出会えない商品や体験が豊富です。
特に観光客に人気なのが「元祖 活いか釣堀」では、自分で釣り上げたイカをその場でイカ刺しにしてもらえるという、北海道ならではの体験ができます。老若男女問わず楽しめるこの体験は、函館朝市の魅力の一つとなっています。
函館朝市の店主たちは品質にもこだわりを持っています。「函館カネニ」の店主が語るように「仕入れたら必ず自分たちで食べる」という姿勢で、美味しくないものは販売しないという心意気が感じられます。
店主たちは気さくで親切な方が多く、質問すれば商品の特徴や食べ方など、詳しく教えてくれます。積極的に声をかけ、地元の人との会話を楽しむのも函館朝市を訪れる醍醐味の一つです。
近年では、「セレクト朝市」や全国へふるさとの味を届けるお得な詰め合わせ商品「玉手箱」など、新たなサービスも展開しており、進化を続ける函館朝市の魅力はますます高まっています。
所在地 | 函館市若松町9-19 (函館朝市協同組合連合会事務局) |
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アクセス | JR函館駅から徒歩1分 |
札幌の北3条通から西方面を望むと、その通りの突き当たりに堂々とした姿を現す北海道庁旧本庁舎。
「赤れんが庁舎」の愛称で親しまれるこの煉瓦造りの建物は、現在使われている新庁舎ができるまでの約80年間にわたり、北海道の道政を担ってきた歴史的建造物です。
札幌駅から徒歩約5分という好立地にあり、都心部にありながら四季折々の自然を楽しめる格別のスポットとして、地元市民や観光客に長く愛されています。
1888年(明治21年)に建てられたこの建物は、約250万個もの煉瓦を使用したアメリカ風ネオ・バロック様式の建築で、明治時代に作られたひずみのあるガラスなど、当時の面影をそのまま残した内装は、まるでタイムスリップしたような感覚を味わえます。特に、建物に施された開拓使のシンボル「五稜星」は必見のポイントです。
館内に一歩足を踏み入れると、赤い絨毯が敷かれた玄関ホールがお出迎え。
ここは記念撮影スポットとしても人気があります。さらに内部には、明治時代の札幌の街を再現した精巧なジオラマや、北海道の開拓に関する貴重な絵画が展示されており、北海道の歴史を学ぶことができます。
特に注目したいのは、「北海道」の名付け親として知られる松浦武四郎が作り上げた26分割の北海道地図。当時の測量技術や北海道への思いが感じられる見応えのある展示品です。
赤れんが庁舎の魅力は建物だけではありません。四季を通じて美しい景観を楽しめる前庭も大きな見どころです。春には桜やライラックが咲き誇り、夏には緑豊かな木々やハマナスが鮮やかに彩ります。
秋になると紅葉が庭園を赤や黄色に染め上げ、季節ごとに異なる表情を見せてくれるのが特徴です。池にはマガモやコイが泳ぎ、都会の喧騒を忘れさせる癒しの空間となっています。
北海道庁旧本庁舎の周辺には、観光後に立ち寄りたいグルメスポットも充実しています。歴史的な建物とモダンなデザインが融合した「北菓楼 札幌本館」では和洋さまざまなスイーツを楽しめ、2階のカフェではオムライスなどの軽食も提供しています。
赤れんが庁舎を一望できる複合施設「赤れんが テラス」には、ビュッフェや中華料理、カフェなどの飲食店が多数入店。北海道の新鮮な海の幸を味わうなら「鮨処西鶴 北一条店」、札幌名物のスープカレーを楽しむなら「ピカンティ札幌駅前店」がおすすめです。
所在地 | 札幌市中央区北3条西6丁目 |
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アクセス | ・JR札幌駅西口から徒歩8分 ・地下鉄南北線さっぽろ駅の10番出口から徒歩4分 |
札幌を代表する銘菓「白い恋人」の製造工程を見学できる「白い恋人パーク」は、お菓子と幸せがテーマのユニークなテーマパークです。チョコレートの魔法に包まれた空間で、見学だけでなくお菓子作り体験も楽しめる魅力的な観光スポットとなっています。
有料エリア「チョコトピアハウス」では、チョコレートを愛する「ジュリアン・ダンディーノ・イシミッティ博士」とチョコレートの妖精「プルミとラムル」が案内するタイムトラベルツアーを体験できます。
チョコレートの4大革命を知るツアーでは、博士のコレクションルームに展示されたマイセンのチョコレートカップ「花づくし」などの貴重なアンティークも見学できます。開催時間は10:00~16:45で、チケットセンターで受付をしています。
「スイーツワークショップ・ドリームキッチン」では、自分だけのオリジナルスイーツを作る体験ができます。特におすすめは「私の白い恋人焼き上げコース」で、約14センチのハート型クッキーに絵や文字を描いて、オリジナルの「白い恋人」を作ることができます。その他にも「お絵描きコース」や「チョコレートパイサンドコース」など様々なコースが用意されています。営業時間は10:00~17:30ですが、コースによって所要時間が異なります。
「チョコトピアファクトリー」では、「白い恋人」やバウムクーヘンの製造ラインを見学できます。バウムクーヘンが完成するまでの工程を間近で見られるのが魅力です。また、白いこびとたちが「白い恋人」を製造するジオラマも展示されており、かわいい仕掛けが子供たちにも人気です。営業時間は10:00~17:30(最終受付16:30)で、入館料が必要です。
「チョコレートラウンジ・オックスフォード」は、白い恋人パークのシンボルである「からくり時計塔」や中庭、宮の沢白い恋人サッカー場を一望できるラグジュアリーな空間です。遊び疲れたら、甘すぎない優しい味わいのホットチョコレートでひと休みするのもおすすめです。
約520平米の広々とした「ショップ・ピカデリー」では、「白い恋人」や「白いバウムTSUMUGIつむぎ」などの定番商品に加え、「白い恋人パーク」限定の「プルミとラムルのチョコレート物語」も販売しています。チョコレートの妖精「プルミとラムル」をモチーフにしたミルクとホワイトの2種類のチョコレートが本型のボックスに入った特別な商品です。
「白い恋人パーク」には写真映えするスポットがたくさんあります。「ショップ・ピカデリー」が入っている「チュダーハウス」の赤い絨毯が敷かれた階段は、まるでお城のような雰囲気で写真撮影に人気です。他にも、バラの花が咲き誇るローズガーデンや石造りの建物など、思い出に残る写真が撮れるスポットが点在しています。
お菓子作りの体験や製造工程の見学、限定商品のショッピングなど、「白い恋人パーク」では様々な楽しみ方ができます。札幌観光の際には、このお菓子と幸せのテーマパークで甘い思い出を作ってみてはいかがでしょうか。
所在地 | 北海道札幌市西区宮の沢2-2-11-36 |
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アクセス | 札幌市営地下鉄東西線宮の沢駅から徒歩7分 |
札幌観光の思い出に、大切な人とのデートに、あるいは自分へのご褒美として―工房Smith札幌 京王プラザホテル札幌店では、世界でたった一つのオリジナルペアリングを自分の手で作る特別な体験ができます。熟練の職人が丁寧にサポートする中で、金属を叩き、磨き、あなただけの指輪を仕上げていく工程は、きっと忘れられない思い出になるでしょう。
工房Smith札幌では、一度に1〜6名様まで製作が可能なペアリング作り体験を提供しています。「大切な人へのプレゼント」「自分好みの指輪を作りたい」「旅行の記念」など、様々な目的で多くの方々にご利用いただいています。
製作時間はわずか1時間程度で、その日にお持ち帰りが可能です。札幌ドライブやデートの途中に「ちょっと寄って作りたい」という方にも最適な、気軽に参加できるアクティビティです。
ペアリングの素材は2mm~10mm幅と幅広くご用意。自らの手で様々なテクスチャーに仕上げることができます。シルバーを木槌で叩き、自分のサイズに合うように伸ばしたり、研磨してお好みの質感に仕上げたりと、実際の指輪職人が行う工程を体験できます。
基本の指輪作りに加え、さらに個性を演出するオプションも充実しています。
※カラーコーティングを選択された場合は、3〜5週間(その他の加工内容により変動します)お預かりし、後日のお渡しとなります。
婚約指輪の製作も手がける熟練の職人が、あなたの指輪作りをしっかりとフォローします。金属加工の経験がない方でも安心して取り組める環境が整っていますので、思い入れのある指輪作りに集中できます。
普段の生活では体験できない金属加工の世界。その非日常的な体験は、きっと特別な思い出になることでしょう。大切な人と一緒に作るペアリングは、形に残る素敵な札幌の思い出となります。
ご予約はオンラインから簡単に行えますので、札幌旅行の予定に是非加えてみてください。
所在地 | 札幌市中央区北5条西7丁目2‐1 |
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アクセス | 札幌駅から徒歩5分「京王プラザホテル」1F |
北海道札幌市にあるサッポロビール園は、日本のビール文化の発祥地として知られる歴史的スポットです。
赤レンガの風格ある建物で味わうジンギスカンと新鮮なビールは、札幌観光の定番となっています。ビールの歴史と北海道の食文化が融合したこの場所で、特別なひとときを過ごしてみませんか。
サッポロビール園の象徴である赤レンガの建物「開拓使館」は、1890年に製糖工場として建設されました。その後、1965年までは製麦工場として使用され、1966年にサッポロビール園として生まれ変わりました。
レンガ造りの煙突に描かれた赤い星のマークは、サッポロビールのシンボルであるとともに、かつて開拓使や屯田兵の制服の胸に輝き、その旗に赤く染め抜かれた北海道開拓のシンボルでした。この星が示すのは、開拓精神と伝統の味わいを大切にするサッポロビールの姿勢です。
サッポロビール園の歴史は、1876年に開業した開拓使麦酒醸造所(現サッポロファクトリー)にまでさかのぼります。日本のビール産業の発祥地で、開拓使以来の伝統である深いビールの味わいを楽しむことができます。
サッポロビール園入り口には「麦とホップを製すればビールという酒になる」という言葉が掲げられています。この仮定法には、ビールを製することの難しさと、だからこそ精魂を傾けてビールをつくらねばならないという先人たちの情熱が込められています。
サッポロビール園では、ヘルシーなおいしさで全国に人気のジンギスカン料理から、北海道産の食材を生かした贅沢なメニューまで、さまざまな料理を個性あふれる各ホールで楽しむことができます。
仲間や同僚とのひととき、ご家族そろっての語らい、そして特別な方との時間を、ゆったりとした空間で過ごすことができます。観光客はもちろん、地元の人々にも愛される場所として、さまざまな人々の思い出が詰まった空間となっています。
ビールの香りと歴史が漂うサッポロビール園で、北海道の味覚とともに特別なひとときを過ごしてみませんか。日本のビール文化の原点で、心ゆくまで味わう体験があなたを待っています。
所在地 | 札幌市東区北7条東9丁目2-10 |
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アクセス | 東豊線「東区役所前」駅 4番出口より徒歩約10分 |
3日目のおすすめコースは小樽観光です。小樽のおすすめ観光スポットを紹介します。
北海道を代表する人気観光スポット「おたる水族館」は、年間40万人が訪れる大型水族館です。札幌から車で約1時間の場所に位置し、雄大な日本海を目の前に臨む絶好のロケーションが魅力となっています。大自然に囲まれた環境ならではの展示やパフォーマンスは、他では体験できない感動を届けてくれます。
おたる水族館には、大小70基余りの水槽が設置されており、冷たい海に棲む魚から暖かい海に住む魚まで、実に250種類5000点もの生きものが展示されています。
水族館の人気者であるイルカによるダイナミックなパフォーマンスは見どころの一つです。また、世界的にも珍しいネズミイルカの展示も、おたる水族館ならではの貴重な体験となるでしょう。
水族館内にある「海獣公園」は、おたる水族館の最大の特徴と言えるエリアです。ここでは、実際の海を仕切っただけの豪快なプールでアザラシやトドが暮らしています。
このプールは「海」そのものであるため、コンブなどの海藻が生い茂り、魚が群れ、ウニやナマコなども自然に生息している生態系そのものです。
天候も人工的に調整されているわけではなく、晴れの日もあれば雨の日もあり、冬には雪が積もります。
波が穏やかな日もあれば高波の日もあるという、自然の変化をそのまま受ける環境で生活する動物たちは、生きるエネルギーに満ち溢れています。飼育されている動物でありながらも、野生に近い状態を保っているのが特徴です。
海獣公園に面した海岸線は国定公園に指定されており、野生のトドやアザラシをはじめ、オオワシやハヤブサなど、生態系の捕食上位者が生息しています。これらの捕食上位者が生息できるということは、彼らの餌となる生き物がたくさんいる証であり、「美しい」だけではなく「豊かな」環境が広がっていることを示しています。
この豊かな自然環境があるからこそ、野生のアザラシが近くの岩場で休憩していたり、トドが防波堤を乗り越えて入ってきたりといった驚きのエピソードも珍しくありません。おたる水族館は、そんな大自然の中に位置しているのです。
北海道観光の際には、ぜひおたる水族館を訪れて、大自然と一体化した独特の水族館体験をお楽しみください。季節によって表情を変える海と生きものたちとの出会いが、きっと忘れられない思い出になることでしょう。
所在地 | 小樽市祝津3丁目303 |
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アクセス | JR小樽駅下車。おたる水族館セットきっぷ(JR+バス+入館券)をJR北海道の主な駅旅行センター(ツインクルプラザ)で発売 |
小樽の寿司屋通りから小樽市総合博物館まで続く「手宮線跡地」は、北海道鉄道の歴史を肌で感じられる貴重な遊歩道です。
かつて北海道の産業発展を支えた鉄道の面影を残しながら、現在は市民や観光客に親しまれる散策スポットとして生まれ変わっています。
手宮線は、1880年に北海道で初めて開通した鉄道「官営幌内鉄道」の一部でした。幌内(三笠市)の炭山から石炭を港のある小樽市へ運ぶために敷かれたこの鉄道は、北海道の近代化を支えた重要な交通インフラでした。当初は手宮・札幌間が開通し、その2年後には全線が開通。その後、鉄道国有化によって「手宮線」という名称に変わりました。
時代の流れとともに役割を終え、1962年には旅客としての営業を廃止、1985年には路線自体が廃線となりました。長い歴史を持つこの鉄道は、小樽の発展と共に歩んできたのです。
廃線から時を経て、2001年から2016年にかけて小樽市によって鉄道跡地の整備が行われました。当時使われていた線路や踏切、遮断機などを残しながら、約1.6キロメートルの散策路として生まれ変わったのです。
整備された散策路は、小樽の中心部から北海道鉄道の発祥の地である小樽市総合博物館までをつなぐ、歴史的価値の高いルートとなっています。レトロな雰囲気が漂う線路跡を歩けば、タイムスリップしたような気分を味わうことができるでしょう。
手宮線跡地は単なる観光スポットにとどまらず、地域に根ざした文化資源としても活用されています。毎年開催されるお祭りのイベント会場としても親しまれ、多くの人々が集う場所となっています。
その歴史的・文化的価値は高く評価され、2018年には北海道遺産「小樽の鉄道遺産」にも選定されました。鉄道ファンはもちろん、歴史散策を楽しみたい方や、のんびりと小樽の街を感じたい方にもおすすめのスポットです。
小樽を訪れた際には、ぜひ手宮線跡地を散策してみてください。線路に沿って歩きながら、北海道の鉄道の歴史に思いを馳せる時間は、きっと特別な思い出になることでしょう。四季折々の表情を見せる散策路は、何度訪れても新たな発見がある魅力的な場所です。
所在地 | 小樽市色内1-15-14 |
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アクセス | JR小樽駅から徒歩約16分 |
引用元:ルタオ本店 – 小樽洋菓子舗ルタオ(https://www.letao.jp/shop/letao/)
小樽にはスイーツで有名なルタオ本店があります。店舗でしか味わえない生のドゥーブルフロマージュをおやつにして休憩しましょう。
所在地 | 小樽市堺町7-16 |
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アクセス | JR函館本線「南小樽駅」より徒歩5分 |
北海道小樽市に位置する小樽港は、北海道開拓の玄関口として発展してきた歴史的な港です。現在では風情ある運河や石造倉庫群が残り、国内外から年間を通じて多くの観光客が訪れる人気観光スポットとなっています。夕暮れ時のガス灯と石造倉庫のライトアップは、ロマンチックな雰囲気を演出し、訪れる人々を魅了しています。
小樽港が発展した当初は、大きな船を沖に泊め、はしけ(台船)を使って荷揚げを行っていました。しかし、取り扱う荷量が増加するにつれ、運搬作業をより効率的に行う必要が生じてきました。そこで、艀が接岸できる距離を長くするために海面を埋め立てることで、小樽運河が誕生しました。
大正12年に完成した小樽運河は、内陸を掘り込んだ一般的な運河ではなく、海岸の沖合いを埋立てて造られたため、直線ではなく緩やかに湾曲しているのが特徴です。しかし、戦後になると港の埠頭(ふとう)岸壁の整備が進み、その役割は次第に終わりを告げることとなりました。
昭和61年、十数年に及ぶ埋立てを巡る論争の末、運河は一部を埋立て、幅の半分が道路となり、散策路や街園が整備された現在の姿に生まれ変わりました。現在の運河の全長は1140m、幅は道道臨港線に沿った部分が20m、北部(通称:北運河)は当初のまま40mを保っています。
小樽運河のイメージ写真等でよく使われる定番の写真撮影スポットが浅草橋街園です。日中は多くの観光客で賑わっており、初めて訪れる方でも見つけやすい場所です。敷地内には観光案内所もあり、最新の観光情報や施設のパンフレットなど情報収集に便利です。
周辺には飲食店をはじめ、堺町通り、旧日本銀行小樽支店、旧国鉄手宮線など、多くの観光スポットが徒歩圏内にあります。
JR小樽駅前から伸びる中央通りと小樽運河が交差する場所に位置する中央橋街園は、観光の拠点として便利な場所です。周辺には、観光の拠点となる運河プラザ観光案内所(小樽国際インフォメーションセンター)や、小樽運河クルーズの乗船場所、祝津、オタモイ方面への海上観光船のりばなどがあります。
小樽運河散策路の北側に位置する北運河は、運河の幅が広くなるため、初めての方でもすぐに分かるエリアです。ここには係留する船、立ち並ぶ倉庫や工場など、港町の風情ある景色が広がっています。
周辺には、国の重要文化財に指定されている旧日本郵船小樽支店と目の前に広がる運河公園、かつて倉庫として使われていた石造倉庫を再利用したイベントホール「小樽GOLDSTONE」などがあります。
少し足を伸ばせば小樽市総合博物館本館も訪れることができます。運河に架かる北浜橋や旭橋は写真撮影のワンポイントとしておすすめです。
小樽運河の散策路には63基のガス灯が設置され、運河沿いの石造倉庫群は当時の姿のまま残されており、レストランなどに再利用されています。夕暮れ時には、ガス灯がともるとともに石造倉庫群がライトアップされ、昼間とは違った幻想的な雰囲気を演出しています。
ガス灯の点灯時間は、小樽運河散策路では日没から24:00(6月〜8月は18:00〜24:00)、北運河散策路では光センサーで点灯・消灯(6月〜8月は18:00〜翌朝4:00)、運河プラザ前ガス灯は日没から24:00となっています。石造倉庫群のライトアップは日没から22:30まで行われています。
なお、小樽雪あかりの路期間中は、ガス灯の点灯は15時からとなります。
小樽港を訪れる際は、昼と夜の異なる表情を楽しむため、夕方まで滞在するプランがおすすめです。運河沿いの風情ある建物と幻想的な灯りが作り出す景観は、きっと忘れられない思い出となることでしょう。
所在地 | 小樽市港町5 |
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アクセス | JR小樽駅から徒歩8分 |
小樽市稲穂に位置する「若鶏時代なると本店」は、1952年の創業以来、変わらない味を守り続けてきた老舗店です。全国的に名を馳せる「若鶏の半身揚げ」を看板商品に、小樽ならではの新鮮な海鮮料理まで、幅広いメニューを提供しています。地元客はもちろん、観光客からも愛される名店として長年親しまれています。
創業以来、なると本店が守り続けてきた「若鶏の半身揚げ」は、多くの人に愛され続けている逸品です。
皮はパリッと、中はジューシーな絶妙な焼き加減が特徴で、余分な脂は落ちているため、見た目ほど脂っぽさを感じません。思いのほかサッパリとした味わいで、ほんのり効いた塩味は白米との相性も抜群です。また、ビールとの組み合わせも格別で、多くの常連客に愛されている理由の一つとなっています。
若鶏の半身揚げだけでなく、小樽の海鮮を使ったお寿司や丼ぶり、各種定食、カレー、天ぷら、ラーメンなど、バラエティ豊かなメニューを取り揃えています。特に人気の「若鶏・寿司セット(にぎり7カン)」は、看板商品の半身揚げとお寿司が一度に楽しめる贅沢な定食セットです。
北海道名物「ざんぎ」が乗った「ざんぎ丼(みそ汁付)」もボリューム満点で人気の一品。女性に人気の「つくねチーズ焼き」は、つくねにとろとろのチーズが絡む絶品メニューです。様々な料理を通じて、小樽の豊かな食文化を堪能することができます。
なると本店では、「お客様においしさを味わっていただく」「いいものをお手軽にお出しする」を基本理念に掲げています。流行に流されることなく、独自の味を守り続けることで、多くのお客様の信頼を獲得してきました。
大人数での宴会、家族でのお食事、一人での食事など、様々なシーンで利用できるよう工夫されており、それぞれのお客様が自分なりの使い方ができることを大切にしています。料金はすべて前払い制で、追加注文をする場合はその都度会計をする仕組みになっています。
70年以上にわたり小樽の食文化を支えてきた「若鶏時代なると本店」。その長い歴史の中で、変わらぬ美味しさを提供し続けることができたのは、伝統を守りながらも時代のニーズに合わせた工夫を怠らなかったからでしょう。
これからも多くの人々に愛される店であり続けるため、地道にひとつずつ、目の前のできることから取り組んでいく努力を惜しまない姿勢を貫いています。小樽を訪れた際には、ぜひ「若鶏時代なると本店」で、長年愛され続けてきた味を体験してみてください。
所在地 | 小樽市稲穂3丁目16-13 |
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アクセス | 小樽駅より徒歩7~8分 |
4日目の最終日は、札幌から新千歳空港で最後の観光を楽しむコースを紹介します。
北海道札幌市の中心部に位置する「二条市場」は、100年以上の歴史を持つ伝統ある市場です。
明治初期、石狩浜の漁師が新鮮な魚を売り始めたことがきっかけで開設されたとされ、現在は市民の台所としてだけでなく、観光客にも人気の観光スポットとなっています。売り手の威勢のいい掛け声が響く活気あふれる市場で、北海道の豊かな食文化を体験してみましょう。
四方を海に囲まれた北海道は海の幸の宝庫であり、道都札幌の二条市場には北海道各地から新鮮な魚介が集まります。市場内には約20店舗ほどの水産会社や鮮魚店が立ち並び、その日仕入れた活きの良い魚介を市場価格で販売しています。
カニやホッケ、ホタテなど、色鮮やかに並ぶ海産物は目を楽しませてくれます。各店舗によって扱う種類も異なるため、店を見比べながらの買い物も二条市場の楽しみの一つです。新鮮な魚介類だけでなく、干物や海産加工品を販売する店も多数あり、その場での持ち帰りはもちろん、多くの店が発送手配(有料)も行っているので、旅の途中でも安心して購入できます。
二条市場は海鮮のイメージが強いですが、実は野菜や果物を扱う店舗も市場内に多くあります。北海道の特産品であるメロンをはじめ、豊かな大地で育ったブドウやリンゴなど、季節ごとの新鮮な農産物も並びます。
夏には道産の甘いトウキビ(とうもろこし)も店先に並び、贈り物にもぴったりの品々が揃います。店によっては店頭で試食も行っているので、実際に味を確かめてから購入できるのも嬉しいポイントです。
連日多くの人で賑わう二条市場ですが、じっくり目を凝らしてみると市場ならではの趣が感じられます。天井には浮き球を活用した照明が飾られ、店を模ったプレートが各店の看板になっているなど、港町のような雰囲気で風情があります。
市場内を歩いていると、二条市場のマスコットである男の子と女の子の銅像に出会うこともできます。これらは市場内のちょっとした撮影スポットになっています。冬の寒い時期には市場内のところどころに石油ストーブが置かれ、歩きながら時折感じる温かい空気に心がほっとします。
新鮮な魚介類をその場で食べたい方には、市場内にある飲食店がおすすめです。
寿司店や海鮮丼、炙り焼きの店など約6店舗の飲食店があります。また、鮮魚店にイートインコーナーが併設している店舗もあるので、覗いてみると良いでしょう。市場ならではの新鮮な素材を使った海鮮料理は格別の味わいです。
通りに面した店舗だけでなく、二条市場には屋内にも多くの店舗があります。創成川沿い、中央区南3条と南4条の間あたりに入口があり、路面店とはまた違った雰囲気を楽しめます。
同じく創成川沿いには、札幌の食通たちを魅了する「のれん横丁」もあります。海鮮自慢の店はもちろん、気軽に一杯楽しめる粋な店もあるので、市場と合わせて立ち寄ってみるのもおすすめです。
買い物を楽しんだ後は、ふと背後も振り返ってみましょう。二条市場は札幌らしい景色が眺められるスポットでもあります。ビルとビルの間から「さっぽろテレビ塔」が大きく望め、麓にはモニュメントが並ぶ創成川公園と穏やかな創成川が流れています。買い物の合間に、この景色を眺めながらひと休みするのも良いでしょう。
札幌を訪れた際には、歴史ある二条市場で北海道の豊かな食文化に触れる体験を、ぜひお楽しみください。
所在地 | 札幌市中央区南3条東1丁目 |
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アクセス | 豊水すすきの駅から447m |
北海道の玄関口である新千歳空港は、日本のみならず海外からも多くの路線が就航する国内有数の空港です。利用者数も飛行機の発着回数も日本トップクラスを誇りますが、その魅力は交通拠点としての機能だけではありません。
ショッピングやグルメ、リラクゼーション施設、エンターテイメントスポットが集結した一大観光地として、旅の始まりと終わりを彩る特別な場所となっています。
国内線ターミナルビル3階にある「北海道ラーメン道場」は、グルメ王国北海道を代表するラーメン店が集まった人気スポットです。
各地の有名店から選りすぐりの10店が集結し、札幌の味噌ラーメンや旭川の醤油ラーメン、希少な甘エビを使用したラーメンなど、北海道各地の個性豊かな味を一度に楽しむことができます。
連絡施設3階にある「ドラえもん わくわくスカイパーク」は、世界初のドラえもんをテーマにした空港併設型テーマパークです。ドラえもんのひみつ道具をモチーフにしたアトラクションをはじめ、カフェやショップも充実しています。ワークショップ施設では立体塗り絵などの工作体験も可能。
カフェでは「ドラえもんたいやき」や「ドラえもん・ラテ」などかわいらしいメニューが味わえます。ドラえもんとタイムマシンに乗った記念撮影は、北海道旅行の思い出として格別です。
連絡施設3階のスマイル・ロードに位置する「ロイズ チョコレートワールド」は、北海道土産の代名詞であるロイズが手掛ける国内空港初のチョコレート工場・ミュージアム・ショップの複合施設です。
ガラス越しに無料で見学できる工場見学は、大人から子どもまで楽しめる人気アトラクション。
約100点のオリジナル商品を販売するショップでは、ここでしか手に入らない特別なロイズチョコレートをお土産に購入できます。
国内線ターミナルビル3階にある「大空ミュージアム」は、航空機模型のコレクション展示や飛行機の歴史を学べるブースなど、空の魅力が詰まった施設です。
航空ファン垂涎の航空機モデルやオリジナルグッズを扱うショップも併設されており、マニアックなお土産を探すのにも最適です。
国内線ターミナルビル4階に位置する「新千歳空港温泉」は、旅の締めくくりに最適なリラクゼーション施設です。内風呂や露天風呂、サウナを完備し、北海道旅行の疲れを存分に癒やすことができます。
併設のお食事処では、ジンギスカン定食などの北海道グルメも提供。アメニティも充実しているため、手ぶらでも気軽に利用できるのが魅力です。
新千歳空港は、単に乗り継ぎや出発・到着の場としてだけでなく、北海道旅行の一部として楽しめる魅力的な観光スポットです。時間に余裕を持ったフライトスケジュールを組んで、空港内の多彩な施設を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。
北海道の魅力がぎゅっと詰まった空間で、最後まで北海道旅行を満喫することができます。
や露天風呂、サウナを完備し、北海道旅行の疲れを存分に癒やすことができます。併設のお食事処では、ジンギスカン定食などの北海道グルメも提供。アメニティも充実しているため、手ぶらでも気軽に利用できるのが魅力です。
北海道には、歴史と文化が息づく観光スポットが数多く点在しています。白い恋人パークでは札幌の銘菓「白い恋人」の製造工程見学やお菓子作り体験が楽しめ、工房Smith札幌では手作りペアリング体験という特別な思い出作りができます。
サッポロビール園では北海道ビール発祥の地で歴史と美食を味わい、おたる水族館では北海道の大自然に囲まれた中で海の生きものたちと触れ合えます。手宮線跡地では北海道初の鉄道が残した歴史を感じる散策が楽しめ、小樽港では赤レンガの倉庫群と運河の美しい景観を堪能できます。
グルメスポットも充実しており、若鶏時代なると本店では創業70年以上の伝統の味「若鶏の半身揚げ」を、二条市場では新鮮な海の幸や北海道の農産物を味わうことができます。
そして旅の締めくくりとなる新千歳空港では、北海道のグルメやお土産、エンターテイメント、リラクゼーションなど、北海道の魅力を凝縮した体験ができます。
これらのスポットは、それぞれに北海道ならではの魅力と特色を持ち、訪れる人々に忘れられない思い出を提供してくれます。北海道旅行を計画する際には、ぜひこれらの場所を訪れ、自然、歴史、食文化、そして人々の温かさに触れる豊かな体験をしてみてください。
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