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結婚指輪・婚約指輪の知識

エンゲージリングとは?マリッジリングとの違いや付け方を解説|工房スミス札幌店

たいせつなパートナーに婚約を申し込む際に贈る「婚約指輪(エンゲージリング)」。

なぜ左手の薬指につけるのかご存知でしょうか?他にも宝石はあるのに、エンゲージリングにはダイヤモンドが多く選ばれるのは、なぜでしょうか?

ここでは知っているようで知らないエンゲージリングの歴史や価格相場、同じく結婚に関係があり混同されやすい「婚約指輪(マリッジリング)」との違いなどについて詳しく解説していきます。

エンゲージリングとは?

「婚約指輪(エンゲージリング)」とは、「婚約の証」としてプロポーズする際に男性から女性へと贈られる指輪です。主に女性のみが身に着ける指輪で、華やかで宝石が目立つデザインが多いです。

夫婦の証として男女ともに身に着ける「結婚指輪(マリッジリング)」は、小粒の宝石か、もしくは宝石をつけないシンプルなデザインが選ばれることが多いため、婚約指輪の方がマリッジリングに比べて価格も高くなる傾向があります。

エンゲージリングの歴史

指輪の起源は古代エジプトからだと言われています。
当時のエジプトで使用されていた象形文字・ヒエログリフに「永遠に」という意味の円形の文字があり、麻の紐を編んで指輪とされていたそうです。
また、遺跡から王や王妃の名前を刻んだ指輪が発見されたことからも、当時から結婚・婚約指輪の文化が存在していたと推測されます。

古代ローマ時代にも、婚約指輪は存在していました。ですが、当時の婚約指輪は「婚約が成立した証」という契約の道具として用いられていたようです。指輪の素材も、錆びてしまう鉄製で指輪が作られていましたが、後に金で作られるようになり、その頃から「契約の証」だけでなく「財力」の意味も加わるようになり、「信頼を贈る/婚約の証」という意味に変わっていきました。

15世紀ごろになると、王侯貴族や裕福な人々は指輪にダイヤモンドなどの宝石を飾るようになります。宝石の中でも、ダイヤモンドは天然鉱物の中で最も硬く「不屈の精神、永遠の絆、純潔」などの意味があり、結婚にふさわしいと婚約指輪に選ばれるようになります。

19世紀末ごろには、ダイヤモンドの鉱脈が発見されて安定して供給できるようになり、一般の人々にも「ダイヤモンドの婚約指輪」という文化が普及しました。
日本には、明治時代後半にキリスト教式の結婚式と共にマリッジリングの文化が定着し、エンゲージリングは高度経済成長期・昭和40年代に定着しました。ダイヤモンド供給会社による「ダイヤモンドの婚約指輪のキャンペーン」がおこなわれたことが、文化として根付いた大きな要因だと言われています。

エンゲージリングの相場

エンゲージリングは、結婚を申し込む男性が金銭的にも信頼できる証として贈る面もあるため、飾られる宝石も質や価格にこだわって選ばれる傾向があります。特にダイヤモンドは品質が高いと価格もあがるので、当然指輪も高くなります。

最も多い購入価格帯は20~40万円あたりですが、ジュエリーショップに行けばもう少し価格を抑えた指輪も揃っています。パートナーとともにジュエリーショップを訪ねて、予算やデザインを一緒に考えてから購入する人もいます。

また、マリッジリングと重ねてつけることを前提に作られた、セットデザインのエンゲージリングもあります。別々に購入するよりもお得に購入できるため、人気がある指輪です。

左手の薬指にエンゲージリングを付ける理由

「エンゲージリングは左手の薬指にはめる」とされているのはなぜでしょう?その理由は、指輪の起源とされている古代エジプトにあります。

古代エジプトでは、心臓は感情を司る場所と考えられていました。左手の薬指は心臓と太い血管で繋がっているため、そこに「永遠」を表す指輪を着けることで「心臓から流れる愛の力を受け取る」と考えられていたのです。

この慣習が現代にも受け継がれ、現代でも婚約や結婚式で「永遠の愛」を誓う際には、左手の薬指に指輪をはめるようになったと言われています。

エンゲージリングとマリッジリングとの違い

「婚約指輪(エンゲージリング)」と「結婚指輪(マリッジリング)」は、それぞれ異なる意味と役割があります。

エンゲージリングは先述したとおり、「婚約の証」として男性から女性へ婚約を申し込むために贈られる指輪で、身に着けるのは女性のみです。

マリッジリングは、結婚式の指輪交換で「夫婦の証」として交換し、男女ともに身に着ける指輪です。

つける順番の違い

エンゲージリングとマリッジリングを重ねて身に着ける際に、指にはめる順番は決められていません。しかし、一般的にエンゲージリングの方が目立つデザインで、マリッジリングはシンプルなデザインをしているため、マリッジリングの上にエンゲージリングを重ねる着け方が一般的とされています。また、「婚約の証/愛の申し込み」であるエンゲージリングの上に「永遠の愛」を表すマリッジリングをつけることで、「愛の誓いを閉じ込める」という意味もあるそうです。

結婚式の最中でも、エンゲージリングを身に着けて問題ありません。エンゲージリングをつけたままマリッジリングをはめてもいいし、右手の薬指に移動させておいて指輪交換の邪魔にならないようにする方法もあります。

デザインの違い

エンゲージリングもマリッジリングも、ジュエリーブランドの直営店やセレクトショップ、百貨店、ブライダルジュエリーの専門店などで購入できます。指輪のデザインは既製品から選ぶ人が大半ですが、ベースのデザインに好きな宝石や素材を選んでアレンジを加える「セミオーダー」も人気です。また、親や大事な人から譲り受けた指輪を手直しする「リフォーム」や、デザイン画から制作する「フルオーダー」という選び方もあります。エンゲージリングもマリッジリングも、指輪の裏側に好きな言葉を刻印することが主流のようです。

マリッジリングは、夫婦お揃いで日常的に身に着けるため、男性でも身に着けられて、日常生活の中で邪魔にならないようなシンプルなデザインが好まれています。なかでも「ストレート」と呼ばれるデザインが最も人気が高いですが、指がきれいに見える「V字」や緩やかなカーブが特徴の「S字ライン」なども人気です。また、メレダイヤモンドという小粒のダイヤモンドが飾られている、マリッジリングでも華やかなデザインを選ぶ方もいます。

宝石も、デザインのシンプルさを重視して大きさが控えめなものが選ばれる傾向があります。そもそも宝石のないデザインを選ぶ方もいれば、指輪の裏側に宝石をあしらう方もいます。エンゲージリングの定番はダイヤモンドですが、マリッジリングだとダイヤモンド以外にも好きな宝石やお互いの誕生石を選んでお揃いにする夫婦もいます。

エンゲージリングは女性が身につけるため、華やかで特別感のあるデザインが好まれる傾向があります。「ゼクシィ結婚トレンド調査2023/全国推計値」によると、「ソリティア」と呼ばれる、リングの真ん中に宝石を一粒目立たせるデザインが54.5%と最も人気があります。次点で、メインの宝石の周りに小粒の宝石があしらわれている「メレ」が33.2%、小さな宝石をリング全体に施した「パヴェ」が8.2%、リングの半周から一周全体に宝石がついた「エタニティ」が3.1%でした。

宝石もダイヤモンドが95.2%と大きく差をつけ、パールやルビー、サファイアも選ばれていました。ダイヤモンドのカラット数は、0.2~0.4カラットあたりが最も選ばれています。

指輪の素材は、ダイヤモンドを引き立たせるプラチナが88.2%、ピンクゴールドやホワイトゴールドを含むゴールドが7.7%でした。
やはり「ダイヤモンドの婚約指輪」は文化として定着しており、みんなの憧れとして最も人気が高く、デザインや素材もダイヤモンドに合わせて選ばれるようです。

また、1本の指輪でエンゲージリングとマリッジリングを兼用する人もいます。その場合、マリッジリングの普段遣いしやすいシンプルさと、エンゲージリングの華やかさを合わせ持ったデザインの指輪が選ばれることが多いようです。

費用の違い

「ゼクシィ結婚トレンド調査2023/全国推計値」によると、エンゲージリングの相場の平均は38万2000円で、購入金額は20~40万円あたりが最も多い価格帯です。エンゲージリングは、以前は「給料の3か月分」というイメージがとても強かったのですが、最近では「給料の1か月分」が相場とされています。

マリッジリングの相場の平均は2つで28万1000円であり、購入金額の価格帯は20~35万円あたりが最も多いです。エンゲージリングとの価格の差は、指輪に使われる宝石やデザインの違いが関係していると考えられます。

また、エンゲージリングのお金を出した人(婚約指輪を購入した人)の調査の結果、夫が49.6%、2人で購入が36.1%、妻が16.7%でした。マリッジリングのお金を出した人(結婚指輪を購入した人)は、2人で購入が87.7%、妻10.1%、夫1.9%と、圧倒的に2人で購入が多い結果となりました。

マリッジリングは夫婦で身に着けるため、2人で購入が圧倒的に多い結果となりました。しかし、男性から女性へ贈るエンゲージリングでも、夫のみの購入と2人で購入の差は10%程度で大きすぎる差というものでもなく、2人で相談して購入するケースは決して珍しくないようです。

エンゲージリングは普段使いしてよいもの?

日常生活の中でTPOやマナーを守っていれば、エンゲージリングとマリッジリングを重ねて着けても、片方だけ着けても問題ありません。

マイナビウエディングによる「結婚後もエンゲージリングを日常的に身に着けていますか?」というアンケート調査によると、毎日着ける 15.0%、お出かけのときだけ着ける 27.4%、ほとんど着けない 49.6%、結婚後は一度も着用したことがない 8.0%という結果となりました。

エンゲージリングも、マリッジリングと同様に普段遣いしていただいて問題ありません。しかし、エンゲージリングは華やかで目立つデザインが多いため、お葬式やお通夜など外した方がいい場面もあります。一般的には、慶事や楽しいイベントがある日に身に着ける方が多いようです。思い出の品として大切にすることも大事ですが、身に着ける楽しさも忘れないようにしましょう。

まとめ

エンゲージリングについて解説させていただきました。なぜ左手の薬指につけるのか?なぜダイヤモンドが選ばれるのか?歴史や価格相場、マリッジリングとの違いについて詳しく知ることができたのではないでしょうか。

将来をともに歩む大事なパートナーへ贈る、一生思い出に残る大事な指輪です。マリッジリングの購入も考えて、どのようなデザインにするか、価格はどれくらいにするか、パートナーのことを考えて素敵なものを選んでくださいね。

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